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- 紫式部の和歌一覧(紫式部日記/新古今和歌集/後拾遺和歌集)
NHK「光る君へ」にて、"和歌の代筆"も行っていた(ドラマはフィクションながら)、
平安時代の名歌人・作家、紫式部が生前に残した主な和歌を紹介。
1008年から1010年の事を綴った「紫式部日記」の中の主な和歌
女郎花(をみなえし) 盛りの色を みるからに 露のわきける 身こそ知らるれ |
新古今和歌集にも収録。 *藤原道長が直接絡む作品。 秋さの七草としても有名な「女郎花」という草を 道長が朝早くに一本折って差し出してきて、 歌の返しを催促したという出来事に関連。 (道長の強引さ/せっかちさを感じさせる) [こちらに対する道長の返し] 白露は 分きても置かじ 女郎花 心からにや 色の染むらむ |
菊の露 若ゆばかりに 袖触れて 花のあるじに 千代は譲らむ |
化粧水/アンチエイジング関連。 また年を取った倫子(道長正妻)と若い紫式部の 微妙な関係性も絡んでいるとされる。 |
水鳥を 水の上とや よそに見む われも浮きたる 世をすぐしつつ |
|
いかにいかが 数へやるべき 八千歳(やちとせ)り あまり久しき 君が御代(みえ)をば |
道長に歌を詠むように命じられ作った ご機嫌取りの作品 (道長がいかに優秀で将来性豊かであるかを表現) |
年暮れて わが世ふけゆく 風の音に 心のうちの すさまじきかな |
年をとっていくことへの憂いにかんした作品 |
夜もすがら 水鶏(くひな)よりけに なくなくぞ 真木の戸口に 叩きわびつる |
道長と紫式部の不倫疑惑が 歴史的に疑われる事になった作品。 道長の強引な求愛行動 (式部が寝ている部屋の戸をしつこく叩く) に対する返しのうた。 この日に関しては拒む事ができたが 道長と式部の立場の強さ/弱さ、 そして道長の強引さ/強欲さから考えると 強引な求愛を拒み続けられたかは定かでないと言われる。 |
紫式部日記は、創作活動のスポンサー的な道長と、
お金などを出してもらっている紫支部の立場の強さ/弱さがよくわかる、貴重な作品。
百人一首における紫式部作品(もともとは新古今和歌集の歌番号1497)
歌番号 57番 |
めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲がくれにし 夜半の月かな 詞書(和歌の前書き)もふまえて分析すると 久しぶりに会った幼馴染が あっという間に買えてしまった事を名残惜しむ作品 |
新古今和歌集(紫式部作品を14種収録)
歌番号 |
歌 |
191 | ほととぎす(時鳥) 声待つほどは 片岡の 森のしづくに 立ちや濡れまし *神社に参拝した時 「ほとときず」という鳥の鳴く声を 森で待とうとした時に詠んだもの |
204 |
誰が里に 訪そも来ると ほとときす こころのかきり 待ちそわひにし 夫がいつ来るかわからない一夫多妻文化と ある季節にだけ現れる時鳥という鳥、 この両方が絡んだ作品 |
224 |
何ごとと あやめはわかて けふ(今日)もなほ たもと(袂)にあまる ねこそ絶えせね |
661 |
ふればかく 憂さのみまさる 世を知らで 荒れたる庭に つもる初雪 |
722 |
曇りなく 千年(ちとせ)にすめる 水の面に やとれる月の 影ものとけし *藤原道長とその息子・教通が関連する、 「寛弘五年/1008年」に詠まれた歌。 |
817 |
誰か世に なからへてみむ 書きとめし 跡はきえせぬ 形見なれとも |
820 |
見し人の 煙になりし ゆふへより 名そむつましき 塩釜のうら 京の人々が憧れていたという 宮城松島湾の「塩釜の浦」に関した作品 |
856 |
暮れぬまの みをはおもはて 人の世の 哀れを知るぞ かつははかなき |
859 |
北へ行く 雁のつはさに ことつてよ 雲のうはかき 書き絶えずして *別れを惜しむ心に関連 |
918 |
かき曇り 夕立つ浪の 荒らけれは 浮きたる船ぞ しづこころなき *式部とゆかりが深い琵琶湖が関連した作品 |
1262 |
入る方は さやかなりける 月影を うはの空にも 待ちし宵かな *未練なく去っていった男に対する恨みのうたとされる |
1485 |
神代には ありもやしけむ 桜花 けふ(今日)のかざしに 折れるためしは |
1499 こちらが約30年後、 小倉百人一首に採用 |
めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲がくれにし 夜半の月かな |
1565 「紫式部日記」 の中のうた |
女郎花(をみなえし) 盛りの色を みるからに 露のわきける 身こそ知らるれ |
1086年成立「後拾遺和歌集」(3作品収録)
歌番号 |
歌 |
010 |
み古野は 春のけしきに かすめども むすぼほれたる 雪の下草 *吉野はもうだいぶ春めいているが、 下草はまだ固い雪に覆われている、というような意味 |
104 |
世の中を 何なげかまし 山桜 花見るほどの 心なりせば *世の中の事を嘆くのではなく、 山桜や花を見ている時のような幻想的な心でありたい、 というような意味 |
433 |
めづらしき 光さしそふ さかづきは もちながらこそ 千世も巡らめ *式部が仕えた藤原彰子の息子(後一条天皇) 出産祝いに関連した作品 |
平安時代設立「千載和歌集」収録 9作品
209 |
大方の 秋のあはれを 思ひやれ 月に心は あくがれぬとも |
430 |
水鳥を 水の上とや よそに見む 我も浮きたる 世を過ぐしつつ |
478 |
鳴きよわる 籬の虫も とめがたき 秋の別れや かなしかるらむ |
564 |
いづかたの 雲路と知らば 尋ねまし 列はなれけむ 雁の行く末 |
908 |
忘るるは 憂き世のつねと 思ふにも 身をやるかたの なきぞ 詫びぬる |
962 |
誰が里の 春のたよりに 鶯の 霞にとづる 宿をとふらん |
977 |
露しげき 蓬(よもぎ)がもとの 虫の音を おぼろげにてや 人の尋ねん |
1096 |
数ならで 心に身をば まかせねど 身にしたがふは 心なりけり |
1126 |
いづくとも 身をやる方の 知られねば 憂しと見つつも ながらふるかな |
その他
続古今和歌集・・・・・5首以上収録
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