集英社の2つの大衆文学賞:「柴田錬三郎賞」と「小説すばる新人賞」の違いとは?





大手出版社の集英社が主催する文学賞のうち、
「大衆文学系(エンタメ小説系)」
という意味では完全にかぶる2つの文学賞の価値や特徴、応募条件、その他の比較。

共に1988年にスタートしたものの、色々な違いあり。


 




柴田錬三郎賞


こちらは1988年にスタートした、集英社と公益財団法人一ツ橋綜合財団の共同主催賞。
特定の雑誌とは直接の関係はないものの、発表は「小説すばる」。


そして、こちらは直木賞同様に非公募型の賞で、
直木賞の選考委員も兼務する人も含めて、
国内トップのエンタメ系小説家が選考委員となり、最優秀賞を決める賞で、
公募型の「小説すばる新人賞」と比較し、受賞者は直木賞同様に大物作家ばかり。

そのため、「直木賞」と完全に競合するタイプの、国内最高ランクの大衆文学賞の一つ。



【集英社HPでの賞説明】
傑作「眠狂四郎無頼控」をはじめ、不羈の想像力を駆使した数々の作品でひろく大衆の心をうち、
ロマンの新しい地平を切り拓いた故柴田錬三郎氏の業績を称えて、
氏の名を冠した賞を設け、現代小説、時代小説を問わず、真に広汎な読者を魅了しうる作家と作品を顕彰します。


 
 

小説すばる新人賞(大衆文学誌「小説すばる」に関連)


こちらは、「すばる」より歴史が浅い1987年創刊の大衆文学(エンタメ小説)系雑誌
「小説すばる」に関連する大衆文学系の公募賞。

賞を受賞すると必ず集英社が単行本化してくれるのが特徴。

柴田賞と同じく1988年にスタート。


ただし、直木賞に近い柴田賞と比較してこちらは公募型で
大物俳優はなかなか新人や一般人と一緒に役のオーデイションに臨まないのと同様に
大物作家はわざわざ応募しないためか、大物作家の受賞は少ないほか、
タイトルに「新人賞」と入っているため、基本的には新人向けの賞のようです。




【集英社HPでの賞説明】
小説の世界に、常に新しい風を送り込む雑誌「小説すばる」が募集する新人賞です。
受賞作は本誌誌上に発表の上、集英社より単行本になります。
ジャンルは問いません。


【応募条件】
未発表のおもしろい小説(エンターテインメント小説)




【集英社のもう一つの大衆文学賞「柴田錬三郎賞」との違い】
柴田賞は「小説すばる新人賞」と同じく1988年にスタートした大衆文学賞。
そして、こちらのほうは公募型ではなく受賞者は大物ばかりで、
「直木賞」と完全な競合状態のエンタメ小説賞。

逆に言うと、公募型の「小説すばる賞」は「柴田賞」の下のランクに位置する中規模クラスの賞。


 


 
  柴田錬三郎賞 小説すばる新人賞
賞スタート 1988年 1988年
関連雑誌
(発表雑誌)

なし。

ただし、発表は
「小説すばる」にて。
 

小説すばる
(大衆文学系雑誌)
1987年創刊
 
賞ジャンル 大衆文学系 大衆文学系
公募/非公募 非公募型 公募型

実質的な
受賞対象者
 
既に実力ある
中堅/大物作家
新人
競合賞 直木三十五賞
松本清張賞
 
選考委員
(2017年時点)

どちらも豪華

伊集院静
逢坂剛
長部日出雄
桐野夏生
津本陽
林真理子
 
阿刀田高
五木寛之
北方謙三
宮部みゆき
村山由佳

作品条件
 
公募ではないので
詳しくは不明
完全未発表の
小説に限る
賞金/副賞
正賞=記念品
副賞=300万円
 
正賞=記念品
副賞=200万円

受賞作品
の傾向
 
大物作家作品ばかり 大物作品は
ほとんどなし

賞の規模
 
大規模 中規模

受賞価値
 
高い
柴田賞よりは低い。
(柴田賞の
登竜門的)
 















 

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